2012年8月27日月曜日

愛知県訪問先:医療法人有心会 大幸砂田橋クリニック


事業担当者 :院長 前田憲志先生
       企画調整室長 陰地一生様、介護支援専門員・看護師 佐藤アイ子様、
       MSW 平井史子様、訪問看護師 渡久地政治様、情報担当 隂地祐太様
訪問日時 :2013827()  13:0014:10

名古屋市の地下鉄『砂田橋』駅から地上へ出るとすぐに、大幸砂田橋クリニックが見えました!
さすが大都市であり車の往来が著しい、平日のお昼間でも多数の車が複数車線道路を通行されています。
☆大幸砂田橋クリニックはこちらです☆
(平成251月より、50mに移設しました)




大幸砂田橋クリニックは、名古屋大学にて名誉教授を務められている前田憲志院長のクリニックです。
お忙しい中、院長自らがいつでも当事業や地域での活動を先導いただいております。
そのご姿勢に多くの方々のご理解とご協力が得られるのだと、尊敬の気持ちを持ちながら活動のご様子をおうかがいしております。

写真右手前より、MSW 平井史子様、 介護支援専門員・看護師 佐藤アイ子様、
写真中央 院長 前田憲志先生、
企画調整室長 陰地一生様、 情報担当 隂地祐太様、

8月に訪問をさせて頂いたのですが、既に介護支援セミナーの開催や、ITシステムの稼働、住民啓発企画、多職種への啓発活動など計画立案が完了しており、開催済のものもありました。
当事業管理をご担当頂いております陰地一生様は、医療のご専門ではなく、あらゆる事業展開の企画調整を専門に活動をされておられます。
当事業においては、ITの活用や多職種連携、住民啓発、人材育成などの様々な対象に対する有効なアプローチが求められる事から企画調整専門に人材を配置し円滑な事業運営促進するという、大幸砂田橋クリニックの方針にて活動展開をされておられます。
 
大幸砂田橋クリニックでは、地域の在宅医療に関わるステークホルダーの皆様と共に連携構築を行い、『矢田川ネット』として活動を始動されておられます。
 前田先生は、日本在宅医学会の代表理事を務められており、全国の在宅医療に従事している先生方の連携連携方式を構築し、先進的活動情報や英知を学会と連動して収集し情報を発信していくという、マクロでの活動も展開されておられます。
 
名古屋市医師会との連携関係により、当事業の展開において会議等へのご臨席のお声かけなどにご協力を頂き、多くの医師や歯科医師等のご参加がみられています。
 
名古屋市では、急性期医療機関が多く、大病院志向が在宅医療活性化の阻害要因となっていました。
大都市圏では、特に今後急速な高齢者人口の増加が著明にみられることから、病院とかかりつけ医の在宅医療支援における有効な連携をご説明され、ご理解とご協力を促されておりました。かかりつけ医のための在宅医療支援体制が非常に少ない現状があり、地域の中核病院にて在宅療養患者の『アセスメント』を受け入れてもらえるようシステムを考案されておられます。既に患者様がご利用されておられました。
 
在宅療養中の患者の精密検査や運動機能や嚥下機能の評価をする事が目的とされており、中核病院の機能が活用され、患者においては精密な検査を受けることができ、必要時は専門医に診察を受けられ、かつ家族の介護負担軽減にもつながります。また、在宅医療関係者にとっても患者の正確な身体状態の把握により、適切なサービスの選択と提供が可能となります。
 地域の各関係者がWin-Winとなる対等な連携が継続的な連携ネットワーク構築においては重要であると感じます。何より地域の方々によって暮らしやすい地域づくりが進められる事を願います。
名古屋大学との連携が深い大幸砂田橋クリニックでは、アーリーエクスポージャーの活動が特徴の一つです。
若い学生を対象に同行研修を開催し、早い段階で地域医療や在宅医療に関わる機会を提供して、理解を促進する活動を展開されておられます。
在宅医療に関わる人材不足が大きな問題の一つでもありますので、在宅医療促進において大変重要な活動だと感じます。
ケアマネージャーに対する連携促進や、勉強会の開催も実施されておられます。
人的資源が多い事により様々な連携方式が求められ、結果として連携構築が難しくなってしまうこともあり、連携拠点事業所が同職種の顔の見える機会の提供し、連携の構築と質の向上に向けた主体的な取り組みが生まれると、地域の面的向上につながる可能性が高くなると感じます。
 
大幸砂田橋口クリニックは復興枠在宅医療連携拠点事業所ですので、災害にも地域の患者情報を保護し、適切な支援を迅速に提供できるようにITを活用した情報共有システムの運用をされています。
現在すでに4事業所間での情報共有システム運用を開始されており、今後稼働状況等を確認しながら、地域の他職種間での情報共有に向けて活動展開をされる予定です。
こちらのITシステムの特徴は、各患者検査査記録などは掲示されていますが、患者のお名前等の個人情報は掲示されていません。通称を用いて各患者の認識を共有しています。
サーバーはサイボウズのものであり、医療情報共有の為に改良されたシステムにて運用されておられます。
サイボウズはすでに既成のシステムであり、導入コスト・ランニングコストが低く抑えられるという事と、特定の管理者のみですが解析時等のデータの取り出しが容易であるというメリットがあります。
ITを活用した情報共有システム導入においては、継続的に活用できるコスト面や取扱いのしやすさ、使用される方におけるメリットの大きさが非常に重要になりますので、こちらのシステムの選択基準をご教示頂けました事は大変勉強になりました。
前田先生を筆頭に、事務局スタッフが密な連携とまとまりある活動展開を精力的に進められておられました事が大変印象的でした。
多職種で構成されている大幸砂田橋クリニックのの皆様は、互いの能力を発揮しながら活動展開されております。
医療機関であっても、医療提供だけでなく多機能な活動が求められる時代ですので、様々な方々の能力を集結し進めていく事が必要だと勉強になりました。
 事務局機能が連携においては大変重要であることも感じております。
地域で暮らされる方々にとって安心でより良い地域となる事が何より求められる中で、貴所での新しいものを取り入れられる拠点としての活動やあり方が大変勉強になりました。
お忙しい中、ご対応を頂き誠にありがとうございます。
今後ともご指導頂けますようお願いいたします。