2012年9月3日月曜日

北海道訪問先:夕張市立診療所 PART1(前編)

北海道訪問先:夕張市立診療所  PART1(前編)
事業担当者 :理事長 八田政浩先生、
             所長 森田洋之先生(20134月より鹿児島県ナカノ在宅医療クリニックへ赴任されました)
             理事補佐 中原宏和様、在宅医療介護連携室 横田久美子様、
             事務長 越中幸一様、施設長 佐村淳知様、訪問介護責任者 山﨑博司様、 
訪問日時 :201393()  1240分~15

☆PART2(後編)はこちら→http://zaitakurenkei.blogspot.jp/2012/09/part2.html

 本日は、日本の最北の都道府県であります、北海道の在宅医療連携拠点事業所へ訪問をさせて頂きました。
北海道の1件目は、夕張市にある夕張市立診療所です。



札幌駅から2時間程電車に乗り、JR夕張駅に到着致しました。
駅前まで、夕張診療所 事務長 越中様が迎えに来てくださいました。
ありがとうございます!
『夕張メロン』が有名な夕張市は大自然の中にありました。
9月でしたが、まだまだ豊富な夏の輝く緑を見せてくれていました。
夕張市は、明治時代より炭鉱の町として大変栄えていた歴史を持つ市です。
戦後も石炭燃料の需要の増大に伴い炭鉱町として栄え、多くの炭鉱労働者を抱え人口は10万人を超える大きな市でした。
しかし、依存エネルギーの変化に伴い徐々に炭鉱が衰退し、著明な人口減少と産業衰退により2007年に市が財政破綻をしたことは衝撃的なニュースとして知られています。
産業の敗退と、市行政の財政破綻により人口の流出や自然減少により現在の人口は約1万人となり、高齢化率は約45%であり、超高齢地域です。
かつての日本の経済を支えた炭鉱労働者の方々やその伴侶が独居高齢者・高齢夫婦世帯として住み慣れた夕張市で生活をされておられます。
市の端から端まで車で40分以上かかるような広大な地域であり、炭鉱時代の方々は長屋やアパートに点在してお住まいだそうです。
『夕張メロン』を中心に農業をされている方々は複数世帯でご家族と暮らさせる家族構成が多いのですが、炭鉱労働者として働かれていた方々は独居や高齢ご夫婦でお暮しの方々が多いそうです。
駅前に設置されている観光案内所です。
様々な町おこし事業が展開されていました。

駅前にはリゾートホテルがありますので、夕張にお越しの際にも宿泊ができます。
こちらは夕張市立診療所です
夕張市立診療所は、以前は夕張市立の総合病院でしたが、
市の財政破綻に伴い公設民営化され、診療所として事業再開されました。
現在は、医療法人財団 夕張希望の杜によって運営されています。
夕張診療所は市外から集まった心ざしの高い方々によって支えられています。
夕張市唯一の医療機関であり、住民の方のライフラインとなっています。
 以前、こちらは2次救急も担う市立の総合病院(療養40床、一般131)でした。
財政破綻を機に、地域の患者様の住み慣れた地域での安心した暮らしを守る為、着任された前理事長による大きな方向転換により、在宅医療を基盤とした地域医療の再生に向けて取り組みが行われています。
 現在は、老人保健施設40床と有床診療所19床を活用されて、在宅療養中の患者様対応をされています。
100名以上の地域の方々に在宅医療を提供されておられます。
こちらは、救急外来の入り口です。

夕張診療所の在宅医療の積極的な活動展開により、救急要請をされる数は明らかに減少しています。
住民からの健康相談にまずは、看護師が電話相談による支援を提供した上で、夜間や休日のリアルタイムに救急対応が必要な方に必要な医療を提供しています。
限られた資源で多くの住民の皆様の健康を守るためには、体制の整備と住民のご理解が連動して進めることが必要だという事を感じました。
 
所内は、以前の市立総合病院の面影を色濃く残しています。